2013年 第30回設計競技
 『きのこのような家』

民家はきのこである。 民家は建築であるよりは自然現象と考えるべきだ。
条件がそろえればどこの地面にもみごとなきのこが群生するように、
豊かな風土にはみごとな民家の集落がある。
篠原一男「民家論」より(『住宅建築』1964 年刊) 篠原の言葉から半世紀、既にかつての「民家」は絶え、
人と自然の営み、互いの働きかけにより醸成された「豊かな風土」も薄れつつある。
しかしながら、風土が消えることはない。
新旧さまざまな風土は、気づかないまま、そこここに在る。
注視すれば、「豊かな風土」となる兆しを見いだすこともできよう。
そこに根付き、発生する「きのこのような家」を具体的に提案してほしい。

文:向口武志(審査委員長)

審査員
前田 圭介 UID
○向口 武志 名古屋市立大学
謡口 志保 ウタグチシホ建築アトリエ
道家 洋 道家洋建築設計事務所
南川 祐輝 南川祐輝建築事務所
村林 桂 村林桂建築設計事務所
村松 篤 村松篤設計事務所
●ゲスト審査委員 ○審査員長
入賞作品 
学生の部
金賞
『舟歌のバラッド』
廣澤 克典
/名古屋工業大学
銀賞
『原木の寄り添うきのこのような家』
角谷 卓哉
/関西大学

『大地の家』
椙山 雄大
/立命館大学
銅賞
『窓から寄生する家』 池川 健太 /武蔵野美術大学    
『じめんのいぶき』 外村 省吾 /九州産業大学    
『高架下の風土と柱』 下釜 健吾 /名城大学
『開闢の三角帽子』 伊藤 翔平 /三重大学    
『家帳』 畠山 千弘 /愛知工業大学  
特別賞
『きのこのはえるビル』 栗原 一樹 /横浜国立大学
一般の部
金賞
『流域に生きる木櫃』
川端 俊輝
/横浜国大学大学院

銀賞
『小さくなっていく木の家』
永冶 祐太
/永冶建築研究所

『開拓する住処』
齋須 幸太郎
/法政大学大学院
銅賞
『気づかいの菌』 川本 達也 /フリーランス    
『団地に育つ家、団地を育む家』 木作 洋輔 /神戸大学大学院
『隙間をまとう家』 鎌仲 諒 /金沢工業大学大学院 ・乙川 佳奈子 /富山大学大学院
『月風にいだかれて』 岩月 亮士 /三重大学大学院
『水琴窟の家』 石井 三保子 /名古屋工業大学大学院
特別賞
『装飾風土』 西川 博美 /横浜国立大学