Jプロフェッショナルセミナー愛知 2011 -建築家実務講座-
「構造」 シーズン1 第3回

「総合的なデザインにとっての木質構造計画と設計

加藤工匠氏(㈱浦野設計)


(高嶋繁男/黒川建築事務所)
 9月15日(木)に総合資格学院名古屋校にて開催した。参加者は37名(JIA18名、士会11名、事務所所員7名、JSCA1名)であった。木質構造による建築は、国産材の森林資源の増加、地産地消、自然素材への傾倒、カーボンニュートラル、といった環境面と耐火性能の評価、木質混構造の緩和、公共建築物の木材利用促進法、といった法令面からの促進もあり、関心が高い。事前のアンケートでもかなり細部に及ぶニーズがあった。
 2時間半のセミナーでは到底、網羅できないが、講師の加藤氏は、
○木質構造のトピックス(今回のセミナー独自のテキスト25頁分) 
○JSCA構造設計実務者研修「基礎編」 第Ⅶ編木質構造の構造設計:100頁分) 
○加藤氏が携わった木質構造の設計例(設計図面・建物写真) 
○東日本大震災での被災事例、木質構造の液状化対策と、
豊富な内容を限られた時間の中で、精一杯説明してくださった。
 木質構造の設計実績が多い構造設計者は少ないと聞いている。そのような現状で、木質構造にはさまざまな木材と架構形式があり、意匠設計者と構造設計者の双方が上手く協働するために、「木」を知り、「木質構造」を知ることの大切さを感じた。
 今回は短い時間ではあったが、幅広く基礎レベルを学ぶ機会をいただいた。加藤工匠氏には、改めて感謝の意を表した
講演する加藤工匠氏 会場の様子
〈参加者の声〉
●前回参加させていただいた際、とても面白かったため、今回も受講いたしました。セミナーでは、最近の木造建築を取り上げ、構造とデザインの面から分かりやすくご説明していただきました。今回のセミナーを受けて、木造の可能性を改めて実感でき、私自身もその「可能性」にチャレンジしていきたいと感じました。
 このような機会を与えてくださった皆様、ありがとうございました。(森 美欧/中建設計)
●資料を元にしてお話を頂けたので、構造に対して苦手意識を持っていた私にはとても分かりやすかったです。また頂いた資料は木質構造についての基礎知識をまとめてあるため、日常の業務にも活用させていただいています。
 ありがとうございました。(井上直之/東海・ビルド一級建築士事務所)
●木の特性や欠点、背割れとボルトの干渉など、ふだん設計していてもまだまだ知らない木の性質や施工上の注意点などがあり、改めて勉強が必要であると痛感しました。有意義な講義となりました。
 ありがとうございました。(松井基悦/塚本建築設計事務所)