本部報告
合同諮問会議「事業予算評価タスク」第1 回会議                合同諮問会議委員 谷村 茂 
 年が明けた1月14日の13:30から18:00まで建築家会館3階大会議室において、3諮問会議から[財政再建]小田、西勝、[組織再編]室伏、森岡、谷村、[法資格制度]東條の6委員と中山本部総務委員長、小島近畿支部長に加え、筒井専務と池田事務局長が出席して「事業予算評価タスク」が開催された。
 この会議は、会長からの諮問を受け、本部の「主要」な事業・業務に関して、新法人への移行も視野に入れた中長期的な視点での重要性や位置づけを踏まえ、今後の事業内容および予算の考え方などの課題を検討して事業の妥当性を評価するものである。その結果を会長に答申した後、今後の運営方針の策定や、来年度予算の編成・組織の再編などに反映させることを目的としている。
今回の評価対象とする事業・業務は以下のとおり。
 1.表彰関連事業 
 2.資格制度関連業務 
 3.広報関連業務 
 4.環境行動ラボ 
 5.国際関連業務 
 6.UIA 大会推進業務 
 7.全国学生卒業設計コンクール
 これ以外の本部事業については、委員の交通費と担当職員の人件費に限定されるため、今回の評価対象から外されたが、事務局体制改革WGにより別途検証される。
 「表彰関連事業」は、新法人への移行に際しては、公益目的事業23項目に該当すると考えられるので、JIA会員以外への広報がより考慮される必要がある。現在は事務局スタッフの業務負担が大きいため、支部が行っているように本部委員の実働が求められる。また、審査費用の節減のため、支部との協力体制を強化し、支部への委託も含め、交通費などの節減が求められる。交流活動では、建築家会館との建物利用の見直しを図っていくことが必要である。
 「資格制度関連業務」については、専攻建築士との一体化検討と同時に、共通の第三者認定機関の設置をはじめ、資格制度の大改革を検討しなければならない。オープン化への多大な期待がシステムを過大・複雑にしており、見直しの必要がある。特に、事務局担当スタッフの負担が大きい。 
 「広報関連業務」は、急速にデジタル化、オンライン化が進む中で、将来的な紙媒体の意義などを明確にすると共に、支部発行の広報誌との合体化の可能性を検討する。ここで本部と支部の情報をバランスよく掲載し、各支部の情報を丁寧に汲み取ることは重要である。さらに企画・編集業務の内製化を進め、若手編集委員の増員を含めて外注費を抑制することが必要となる。 
 「環境行動ラボ」が行う環境分野は、社会からのニーズも強く、活動内容自体は評価できるものの、JIAの活動倫理面での位置づけの明確化、さらに別組織化を含めた体制のあり方の検討が求められる。組織のメンバーが固定化しているため、メンバーの新陳代謝が求められる。 
 「国際関連業務」は急増しており、情報の集中管理が不十分となっている。委員長を補佐する人的体制づくりができていないことに加え、旅費支出をはじめ基本的な手続き面がルーズで、事前申請、報告書提出などのルールづくりが求められる。さらに他団体との役割分担を明確にする必要がある。ARCASIA関連の支出が当初予定を大きく超えそうな状況であるので、必要と判断された経費でも上限を設けることを考えるときに来ている。 
 「UIA大会推進業務」については、大会開催が迫り、実効的な活動が求められる。予算執行や組織編制について、理事会の承認手続きなども十分確認し、進める必要がある。また、JIA会員の意欲的参加をさらに促進するための具体的な方策が求められている。 
 「全国学生卒業設計コンクール」について、現状では、支部開催コンクールとの調整、事務局スタッフの業務軽減化が急務である。「卒業設計展」という枠組みの見直しを含めた事業内容の展開を検討して、支部開催のコンクールとの重複問題を解決すべきである。学生への対応、広告協賛の募集など、事務局スタッフの業務負担が大きく、今年度は収支黒字といっても、事務局人件費がカウントされていないため、事務局の業務軽減化を図る方策が求められている。 
 全般的に、本部事業に関しては、事務局スタッフにかなり依存しているため、各支部が行っているように、会員が業務の実行力とならない限り、本部経費の削減は不可能だと思われる。今後、数回の会議で提言はまとめられる予定であるが、実際に実行されているか、理事会などのチェック機構が求められる。