理事会レポート   理事 谷村 茂
 本年最初の第166回理事会は、1月16日に定刻から10分遅れの1時10分にWEB会議で行われた。この日は各地で新年会が行われるため、5時には関東甲信越の理事全員、6時には東海支部の我々と東北支部の松本支部長が退席するとのことで5時までに審議・協議の議事が終わるように要請された。東海支部事務局は新入会員のガイダンスで使用できないため、服部支部長と私はそれぞれの事務所での参加となり、全国合計12カ所からの参加で画面いっぱいに新春のスタートを切った。
 定足数24名中、最終的な欠席者は山口、佐野、上浪各理事と八木監事で、山口、上浪両理事は委任状を提出している。(開始13:10、終了17:50)
 出江会長の挨拶は、「100年に一度といわれる不景気の中、日本は新産業革命で復活し、世界の中心となると考える。21世紀は水素、水を使った時代が始まり、石油に振り回されてきた時代から脱出する。また、20世紀の建築界の“形態は機能に従う”という機能主義から脱皮して“文化を取り戻す”まちづくり、家づくりを再構築しなければならない」であった。
[審議事項]
1.入会者・退会者承認」の件
12名の入会申し込み、5名の退会、1名の休会希望が、賛成多数で承認された。過去数回集計に反映されていなかった死亡者17名を今回計上し、会員数は4,957名となった(1月13日現在)。
2.後援・協賛名義承認の件  12件の後援依頼を承認。
3. 2009年度総会の期日と場所」の件は下記のとおり承認された。
総会期日 2009年5月28日(木)
開催場所 大阪(近畿支部がある綿業会館大ホール)
4. 懲戒処分不服申し立てによる再審査の件
1月7日の臨時理事会において、山口洋一郎対社会行動委員長、阪田誠造懲戒審査委員長の経緯説明の後、協議となった。その後、審議に切り替えられ、「徳岡浩二氏の不服申し立てによる再審査は必要ない」ことを決議したが、賛成多数で承認された。回答文書は「建築家」2月号の会長による反ダンピングの声明も判断根拠の一つとしている。
5. 本部部会規定の改定の件
総務委員会で現行の部会規定を会計統合化に適うものとするために協議してきた案で賛成多数で承認された。今後は支部もこれを準用することとなる。
6. 本部委員会再編成の件
現在33ある本部委員会を整理・統合・再編成し、2009年度より新編成で実施したいという提案であったが、幾つかの点で継続審議となった。(テーマ別、統括副会長、理事)
・ 理事は支部長や委員会委員長等兼任をして超多忙で限界。
・ これまでは会長就任時に委員長を集め、委員会のミッションを明確に伝えていた。
・ 総務委員会がすべてを掌握しているわけではないので、副会長クラスが、会長の意を受けて委員会の整理、統合をすべき。
次回理事会までに、4副会長主導の下、総務委員会補佐で案作りをする。
7. UIA特別会費の件
JIA全体として強制力のある集め方をした方がいいだろうが、各支部長が集めるのに苦労するのは確実だとして、支部長会議でも協議するので継続審議となった。
8. 2009年度予算編成等の件
賛成多数で総務委員会で詳細を詰めることが承認された。ベルコリーヌの収支のずれ込み、UIA特別会費の徴収状況、JOB一時立て替え金の清算、会員からの借入金の取り扱いで本年度決算は大きく変動するが、ほぼ予想通り。5月11日理事会で総会提出決算を確定予定。
・ 予算は増える項目が多く、厳しい。2010年以降の財政建て直しのため、再建基本方針を本年度中に策定する必要がある。
9. 建築サポートセンター設立の件
業界関連団体による一般社団法人設立へのJIAの参加が承認された。会費は年間20万円だが1月19日の設立総会を控えており、緊急審議された。5会が参加するため、JIAが参加しないのも具合が悪いとのことだが、あまりにも突然すぎる。
[緊急動議]
「金沢ものづくり会館入札についての再審査要求」(出江会長) 12月12日の理事会で承認した職責委員会報告を覆し、再度当該入札案件を審議して「懲戒要否」を求めたもの。数名の理事のセコンドがあり、動議は成立し、ロバート議事法により進められた。しかし、1票差で2/3に達せず、「再審査不要」となった。
[協議事項]
1. 表彰式典の開催方法については横河委員長不在のため次回持ち越し。
2. PCA会計ソフトのバージョンアップについて、リース料金が当初110万円だったが、170万円に上がっているのも含めて継続審議。
3. 環境ラボ規約案の件は、特記すべき議論はなかった。
4. オープン化資格制度と士会との制度連携協議方針について
2月初旬に士会と協議の予定で、2月理事会で制度設計の協議、4月理事会で承認、5月総会承認を目指す。統括建築士の問題も含めて議論していく。
[報告事項] 省略
[生駒監事コメント]
 会議の最後に、八木監事は連続欠席のため、松本議長より生駒監事にコメントを要請した。その中で、ダンピングは倫理観だけでやめることが可能なのかという意見と共に、会長のメッセージが会員に届いていないと思われるので「仙田マン週報」のような発信を期待すると述べた。
 これに対して会長より、「業務環境改善、資格制度オープン化、建築基本法の制定に最大の目標を置いているが、現時点で、公正取引委員会を相手として、ダンピング問題の解決に方針変更して対応を取る。ダンピングは継続という解釈になっているが、1度でもあったら処罰対象とするようにしていきたい」との考えを示した。