理 事 会 レ ポ ー ト   東海支部長・理事 服部 滋
 第165回理事会は、12月12日13時から、久しぶりに集まっての会議として大阪で開催された。
〔審議事項〕
 まず、いつものように後援名義と入退会者の承認があった。特筆事項は法政大教授の五十嵐弁護士の正会員としての入会である。都市計画の専門家として承認。
続いて、金沢での低額入札に対する職責委員会による調査報告への理事会の対応の件、前回の豊田市の件もあり、賛否に意見が割れたが、わずかに賛成が上回り承認された。入札直後に石川地域会から出された低額入札についての意見文書に関して、職責委員会から注意喚起のコメントが出されたことについて異議があり、事実関係を再調査することとなった。
〔協議事項〕
 最初に、2008年度決算の提出期日、方法、2009年度総会期日等について事務局より説明があり、前回理事会や企画運営会議の説明との違いの確認がされた。最終的には、4 /10までに地域会決算、4 /17までに支部決算を本部に送付する。本部でのチェックバックに基づき、監査、総会承認を5 /8までに行う。5 /28大阪で本部総会開催の意見が出された。
 ついで、本日のメインの協議事項である資格制度オープン化について十分な時間をとって協議した。野々瀬徹本部実務委員長から、仙台での臨時総会後の士会連合会の動きや、士会連合会との協議、実務委員会の現状について30分程度の説明の後、JIAの推進する登録建築家の制度と、士会連合会の推進する専攻建築士制度の関係性について、出席した全理事から意見を求めた。
結果、2つの制度が並立するのは一般国民から見てわかりにくいので、2つの制度を融合する形での位置づけを行い、士会連合会と協議するとの意見が大半をしめた。その意見は、現在士会連合会が進めている表示制度としての専攻建築士制度の設計専攻建築士とは違い、その上位概念としての統括建築士ができれば、それとすりあわせる。「建築家」という言葉にこだわらず、次の士法改正時に、今回改正でできた専門建築士を統括する形の、国家資格としての統括建築士の誕生を目指す。ただし、建築基本法が制定される場合は、その中で建築家法が制定されればそれに越したことはない、など。
 次に、この数回の理事会で協議、審議されてきた入会資格条件を整理するための総務委員会の内規について報告を受け、意見聴取があった。入会条件の別に従い、審査方法や一級取得3年以上と同等と見なす基準について明文化するものである。内規は理事会承認事項ではなく、総務委員会で決められるということだが、入会条件にかかわることなので、理事会での協議を行ったものである。ここで、すでに3時間半を経過。
 休憩後、豊田市の案件について懲戒処分とされた会員からの不服申立について、意見聴取を行った。これは、懲戒規定第10条の2に基づくもので、対象会員および懲戒請求者、懲戒委員長から理事会が意見聴取を行うものである。本来なら、3者を同時に呼んで審査すべきところだが、懲戒請求者、懲戒委員長はスケジュールの都合で出席できなかったので、次回理事会までに臨時WEB理事会を開催し、意見聴取することとなっている。
〔報告事項〕
 この時点ですでに終了予定時間まで1時間を切っていたので、報告事項の中の重要案件で、説明者が出席されているUIA大会2011とそのための寄付についての報告が行われた。まず、小倉善明JOB会長から、UIA大会2011東京の詳細なプログラムの案の説明、年明け1月に開催されるミース賞20周年記念展示会、UIAとの大会調整会議、JOBの副会長に5会会長が就任する件の報告があった。続いて、今年の事前登録が、ほとんど集まらず、当面の資金不足が心配されている状況の報告と、寄付金集めの状況報告があり、JIA負担分の中小事務所負担分について支部単位での協力会費としての徴収の依頼があった。さらにホットニュースとして、UIA2011東京開催に先立って、ポンピドーセンターで日本の戦後建築の歴史展が開催され、その展示も東京大会の中で開催されることになるとの報告もなされた。
 上記支部単位で徴収する協力会費について本田伸太郎UIA準備委員から、具体的数字の割り当てについて説明があった。JOBでは、オールジャパンで事に当たる体制を強調され、藤本建築士会連合会会長のUIA大会で日本の独自の建築資格制度について積極的にアピールしたいとの発言などあるが、他会の協力体制はどうなっているのか、なぜJIAだけが負担することになるのか、JOBの話では国際性、文化など話題にするが、地方の会員にとってどんなメリットがあるのか見えてこないと地方では説明できない、東京から遠い会員は参加するだけでも費用が多くかかるのにそれ以上の寄付はとても、などの意見が出された。全体としては、できるだけの努力はしてみるが、もっと訴えかける材料がないと、とても目標額には達しないだろうとする意見が大半を占めた。
 次に、「建築家」編集長の赤堀理事から、今年は、総会に間に合うようにアニュアルレポートをまとめたいので、会計提出のスケジュールに準じて原稿を作成願いたいとの依頼と、来年度からは一般向けの広報誌を季刊で発行する準備をしているとの報告があった。
 残りの報告事項については、時間切れとなり、読んでおくよ
う要請があった。
 最後に橋本総務委員長から、会計の連結化にともない部会規程を改訂する件について報告があり、支部、地域会にある部会についても同等の処理を行うよう要請があった。 
 18時より年末懇親会を開催、この数年では初めてのことのようで、近畿支部副支部長の4名も加わり懇親を深めた。WEB会議では味わえない本音トークの情報交換が行われた。