活発な議論で理解を深めよう

愛知地域会長 小田 義彦
 昨年6月20日の建築確認・検査の厳格化を柱とする改正建築基準法施行による混乱の収束を見ないまま、今年の秋には構造・設備設計一級建築士制度が施行され、未だにその影響の程は未知数のままです。一方、エネルギーコストの上昇に伴う物価高騰と設備投資の差し控えが囁かれるなど、わが建築設計界は受難のときを迎えています。しかしこういう時こそ、JIAは継続職能研修(CPD)と建築家資格制度を推進し、会員一人一人が建築家憲章・倫理規定・行動規範に基づいて自らの日常行動を律すること、またそれを外に向かって発信する事によって、JIAという組織の目的と建築家という職能が一般の方に理解いただける絶好のチャンスと考えます。そのため愛知地域会では、支部機関誌「ARCHITECT」の発行やホームページの更新、建築設計を志す学生向けの「学生ガイダンス」の開催、将来のJIA会員に育つ若手所員向けの「JIA愛知建築セミナー2008」の開催、小中学校での建築教室の開催など、広く社会に向けての広報活動を行ってまいります。
 一方、JIA内部では、新しい法人形態の選択、準会員制度と地域会の位置づけ、支部会費も含めた会費改定、NPO法人建築家教育推進機構の立ち上げ、登録建築家制度のオープン化、設計業務環境の改善など、この1年で議論を深めていかねばならないテーマが山積みです。設立20周年という節目を過ぎ、次の10年に向けて建築を取り巻く様々な社会の変化にも対応できる、ぶれる事の無い大方針を打ち出すときを迎えています。
 2011年秋には国際的な建築家会議「UIA2011東京大会」が開催されます。これに向けて大会テーマ「Design2050」に沿った事業も進めるとともに、「UIA2008トリノ大会」や「JIA建築家大会2008東北」にも出来るだけ多くの方に参加いただき、「東京大会」への助走を始めたいと思います。
 年の愛知地域会は、
○CPD事業・講習会への参加呼びかけとCPD取得インセンティブの周知による取得率向上を図る。
○登録建築家の認定比率(対会員)向上と100%更新を目指す。
○建築他団体との連携による設計監理業務発注方式の改善。
○協力会の拡充による地域会財政の安定化。
をテーマに掲げています。皆さんの一層のご理解とご協力をお願いします。