理事就任にあたって 建築界の信頼回復へ
理事 加 藤 幸 治
 昨年は東海支部の大会として、JIA「建築家大会2005東海」を岐阜の会場において開催し、本部・支部・各地域会の皆さまには大変ご協力いただき無事終わることができ、ありがとうございました。また、岐阜地域会長としての任を本年度総会にて終えることができました。この場をお借りしてお礼申し上げます。そして、私自身ほっとした気持ちでありました。そうした中、昨年に本部理事のお話があり本当に困惑した次第です。本年度になり実感してまいりました。去る5月31日に本部の総会が開催され承認いただき、本部新理事として大役を務めさせていただくことになりました。よろしくお願い申し上げます。
建築士法改正にあたり
 話が変わりますが、つい最近6月26日に新聞報道により、耐震強度偽装事件の再発防止として、一級建築士の既存者全員に新たな試験を受験し、不合格者の対応として別名称によるか降格の処遇、新一級建築士の制度創設など専門分野の導入についても掲載され、建築関係者が驚いている次第です。こうした制度の改正に取り組まなければならない建築界として、社会に対して倫理、資質、能力、技術等の日々の研鑽が私たちに問われていることを肝に命じて取り組み、信頼を回復するよう努力していかなくてはならない年と考えています。
会員全員で情報、問題の共有化
 JIAとしてもこの時期に職能倫理を果せるよう、社会に対して信頼を得るよう努力していかなくてはならないと考えています。そして以前より専兼の問題、設計入札制度の問題、登録建築家制度の問題、会員増強の問題、会費による財政問題等に取り組んでいく課題も含めて仙田満会長の下でがんばっていく決意です。新理事による総会の中で、仙田会長の新しい委員会、新企画に対しJIAとして本部・支部・各地域会の連携が重要と思います。 臨時新理事会の中で新しい取り組みの一つとして、仙田会長より「SENDAMAN Weekly Report」仙田週報を毎週会員全員にメールないし、FAX等で送付されることになりました。すでに始まっておりますが、特に今日の問題などがいち早く把握でき、こうした情報や意見が会員一人ひとりに毎週届く手法として効果が期待できるかと思います。
 新しい委員会として、財政再建検討委員会、対社会行動委員会(入札問題特別委員会)、建築士法改正特別委員会、アーキテクツライブラリー検討委員会、JIA会館活用委員会等立ち上げていく方針になっています。こうした中で、JIA会員の皆さまのご協力が重要であり、一人ひとりの会員の方が意識していただけるよう、本部理事として取り組んでいきたいと考えています。
他団体との協力、市民への啓蒙
 JIAと他団体の関係については、建築士法改正の動きの中で、構造・設備設計に専門資格の創設と新たな専門資格制度により建築士としての責任のあり方、更新、定期的に新試験等も検討されており、JIAとしてもこの機会に建築家としてのイメージを市民一人ひとりに認識していただけるよう啓蒙していくことも私たち会員が意識し心掛けていきたいと願っています。
 これから建築を携わる学生の皆さんや子どもたちに興味を持っていただけるような行動が必要かと考えます。そして、建築関係の団体との協力も広い視野、将来を考えて明るい建築界を築いて、国民の皆さまに認識していただけるよう信頼回復に向かって、実現していきたいと考えています。
 最後になりますが、UIA2011年大会が東京で開催されますので、すでに準備委員会も立ち上がり、国際的な大会であるので併せて私たちJIA会員として、成功に向けてがんばっていきたいと考えています。
 本年度就任された谷村茂支部長(理事)とは同級生でもあり、ともに協力してがんばっていきたいと存じますので、皆さまのご指導とご協力を重ねてお願い申し上げます。