身の回りから理解を広げる     静岡地域会会長  清 峰芳
 4月25日、JIA静岡地域会の「2006年度通常総会」が無事終了し、新体制でスタートしました。
 大石郁子前会長の4年間は、JIA会費改変の問題から派生した地域会の運営問題、継続職能研修プログラム(CPD)と登録建築家制度の開始など、多くの懸案事項がどうやら決まりました。これらは時勢の流れに沿って、多くの会員の抱える建築家としての職能の自覚、また地域会の運営の問題を、一歩ずつではありますが解決してきたものと理解しています。これらを広く社会にアピールしていこうという矢先、構造計算書偽装の事件が発生し、官も含めた建築界全体の信用の失墜という事態になりました。そして建築界の中だけに埋もれていた法制度、その他、旧態依然とした諸問題が洗い出されてきています。
 しかしながら、私たちはまさに少しでも建築の設計監理を取り巻く環境の改善、社会への認知に今まで努力してきたのだと思います。これを機にJIAは職能に責任を持ち、設計監理業務を通して社会に貢献する会員の団体であることを訴える絶好の機会だと思います。
 JIA静岡地域会としても微力な組織かもしれませんが、それぞれ身の回りの一般の人々、また行政に訴えながら、理解を少しずつでも広げていき、大きな輪にしていくことが会員各々の使命だと思います。今後も多くの問題が出てくると思いますが、アーキスクール、建築フェア、建築ウォッチングその他、より社会との接点を広める施策を考え実行しながらJIAを認知してもらうと同時に、地域会の会員の交流をより深め、多くの仲間を呼び込んでいきたいと考えています。  社会が建築に問題を投げかけ、注視している現在こそ、それに応えていかなければ、いずれ自分で自分の首を絞めてしまう事態に陥ってしまうことは自明です。
 いずれにしても一部の会員の活動だけでは困難なので、会員全員の自覚のもとに使命感を持って協力をお願い致したいと思います。