様々な活動で建築力UP          三重地域会会長  池澤 邦仁
 このたび2006〜7年度の三重地域会会長という大役を仰せつかりました。精一杯がんばりたいと考えていますのでご指導ご協力よろしくお願いいたします。
 今期の地域会運営は前期の骨格を踏襲しています。支部や地域会の皆さまと共に地域会の未来をより明るくする方向で運営していきたいと考えています。三重地域会は発足当初より、「建築文化講演会」と「建築ウォッチング」の開催、そして会報『アーキテクト“みえ”』の発行を事業の三つの柱と位置付けて地域の一般の皆さま方、学生の方々を視野において事業を展開してきました。近年はこれらに加えて、『建築家カタログ』の発行と「建築展」の開催にも力を入れています。建築が人に伝える建築力と申しますか、具現力、訴求力の面からも地域の皆さまへの訴えかけが厚味を増したと考えています。建築のあり方を決定づける立場にいる私たち建築家が社会に向けて働きかけをするに際して、JIAという団体として表明すると共に、会員個人が行動して、なおかつ日常業務の成果である建築力で訴えることも大切で有効なことだと考える次第です。
 一方、会の内部に向けた活動も回を重ねています。「森羅万象匠塾」は、会員がものづくりの原点に立ち返って考える機会をセミナー形式で設けています。「会員研修発表」では会員自身の業務の成果を仲間に発表して、会員相互で切磋琢磨する機会になっています。「建材研修会」は賛助会員の皆様のご協力を得て、建築の構法や建材にかかわる最新の情報を提供していただき、会員の日常業務に生かすことが期待されています。

 今、JIAは課題をいくつも抱えています。例えば、会費減額に始まる財政面、社会化に向けて足踏みしている建築家資格制度、耐震強度偽装事件を機に動き出した国の建築関連法規制の抜本的見直しへの対応、意見が分かれて決着を見ない専業兼業の会員資格、会員の日常業務の周囲で生じがちな設計業務入札ダンピング問題など。支部や本部の会議で多くの時間を費やし解決に向けて取り組んでいますが、今後共粘り強く取り組まなければならないと考えます。また、来年はJIA発足により、建築設計業務にかかわる建築士会と建築士事務所協会、建築家協会の三団体が三極構造を発展的に成立させた1987年以来、20周年という節目の年にあたります。この機会に何をなすべきかをも検討したいと考えておりますのでよろしくお願いいたします。