実務訓練の受け皿づくりを            愛知地域会会長        服部 滋
 昨年末の耐震偽装事件や、官公庁の入札採用の増加、ダンピング、談合事件など、社会の注目が建築界に向けられ、建築家の姿勢を問われることが多くなっています。また、それら事件をきっかけに、建築設計監理の資格も50年に一度という大改革の時を迎えています。
 一方、JIA内部も今大きく動いています。CPDや登録建築家制度の実施、会費・会員規定の改定などがあり、古くからの会員の方や実務をやっていない学校関係の方など多くの方が退会する一方、新しく多くの方が入会してみえました。そんな中、JIAに所属することが信頼できる建築家の証であるといわれる組織とするために、建築家憲章・倫理規定・行動規範に基づき、日常行動を律することに会員全員があらためて取り組むことが重要な課題となっています。
 JIA愛知地域会では、皆さんの努力により、CPDなど研修事業や各研究会における地道な活動や建築相談への対応など、着実に活動の範囲を広げてきていると思います。また、支部機関誌『ARCHITECT』の発行やホームページの開設などの広報活動も行っております。しかし、もっと建築家の実態を知っていただく努力が必要と考え、数年前から県内建築科在学生に対する「学生ガイダンス」の開催を行ってきたのに加え、昨年度からは小中学校での建築教室の開催を始めました。今年度はこれらの事業を発展させるのはもちろん、あらたに社会に出て数年経った建築家のたまごを対象に「建築家セミナー」を開催したいと考えています。これを、登録建築家制度における実務訓練の受け皿になるものにしたいと考えています。また、若手会員対象の支部開催予定の「プロフェッショナルスクール」や「オープンデスク」を通した建築科学生への働きかけとあわせて、UIA2011東京大会に向け、「建築家の役割についての」幅広い広報を行っていきたいと考えております。
 来年2007年はJIA創立20周年を迎えます。記念事業を通して社会にJIAをアピールできる企画を検討するのも今年の課題です。会員皆さまの参加、ご協力をお願いいたします。