年頭にあたって
─2005年 会員増強と建築家資格制度充実の年に
東海支部長 本田 伸太郎
 新年明けましておめでとうございます。
 昨年は台風、地震、火山の噴火と天変地異が大変多い年でした。先回の東海支部大会が開催され大変お世話になった、三重県の宮川村も大変な被害を蒙られましたが、皆様の周りにあってはいかがでしたでしょうか。
 本年はJIAにとって波乱の年となることは間違いありません。その大きな理由は4月からの会費の抜本的な改訂によります。東海支部にあっても1割の会員増を見越してもまだ400万円強の経費削減に取り組まなければなりません。事務局体制のみならず、支部事業そのものにも大きな見直しが必要となります。しかしそれは来るべき大きなジャンプに備えての準備ととらえたいと思います。
 さて、本年は3月25日より9月25日までの185日間愛知県で国際博覧会「愛・地球博」が開催されます。企画、設計等に携わった会員も多数おられることと思いますので、成功することを願っております。
 また7月4日から10日までトルコのイスタンブールにおいてUIA世界大会が開かれます。そこでJIAは2011年大会に東京が立候補します。イスタンブールは以前名古屋が負けた因縁の都市でもありますから、今大会は東海支部からも大挙して参加し応援したいと思っております。イスタンブールは市長さんが建築家であることから、普段では見学できないところも見せていただけるそうです。大会は大会として楽しい旅行になりそうですので、ぜひご参加ください。
 UIA大会が済むとすぐに9月1日から4日まで、JIA大会2005東海が長良川河畔で始まります。これは従来行なってきた東海支部大会に本部の大会行事を併催したものですが、20年に一度に開催される大会ですから、東海支部の総力を挙げて取り組むつもりです。岐阜地域会の会員の方々には大変なご苦労をおかけすることになりますが、私としてはお祭り気分で、楽しく、有意義な大会にしていただけたらと願っております。
 事後報告となってしまいましたが、実は、昨年東海支部はAIA-LA支部と姉妹提携を結びました。そんな経緯から、JIA大会2005東海にはAIA-LA支部の方々にもご案内を差し上げることになります。またその頃には2011年のUIA東京大会も決定していることと思いますので、大変国際色豊かな大会になりそうです。会員の皆さん、英会話を勉強しておいてください。 
 さてJIAが今抱えている最大の課題は会員増強と建築家資格制度だと思います。昨年建築家資格制度に関し、建築士会との関係の中での将来像が提示されました。それによると、建築士会は専攻建築士制度、JIAは登録建築家制度として進められた制度は、ゆくゆくは、「専攻建築士」で法的あるいは国家資格の名称が統一されますが、JIA会員に限り専攻建築士でありながら、そのまま登録建築家を名乗ってもよいそうです。
 私から見ればこの大きな意味は、一級建築士の中に専業、兼業を問わない設計専攻建築士という資格ができ、その中でまた専業設計者が集団で登録建築家(JIA会員に限る)ができることになります。ということは、一般社会の人から見てはっきりとした専業の建築家は、「登録建築家になる」ということです。設計専攻建築士だけでは、専業、兼業の区別がつきません。ですから、専業で建築設計を行なう人たちは、登録建築家の名称をきっと名乗りたがるだろうと思います。ということは、とりもなおさずJIAに入会希望者が増えるのではないかと思います。この資格制度がうまく進めば、しっかりとした仕事を行なう専業設計者のほとんどがこぞってJIAに入会し、社会的にみれば、専、兼の区別が明確になった理想的な制度になる可能性が高まり、それに沿った戦略を立てていただけたら資格制度及び会員増強もうまくいくと思います。
 もう少し説明しますと、この資格制度を進めていけば、ゆくゆくは、JIA会員でなくても登録建築家になれるということは承知しておりました。しかしJIA会員の登録建築家も、JIA会員以外の登録建築家も、建築士会が進めてきた設計専攻建築士とともに設計専攻建築士という名称に統合されます。統合後はJIA会員に限り登録建築家を名乗る、ということですので当初から進めてきた資格制度に反することはない、というのが私の考え方です。またそのような経緯からJIAは将来にわたっても専業の団体であり続け、登録建築家になったからといって専、兼の別なくJIAの会員と認めることにならないようにしたいと思っています。
 JIAは今年、大きな転換期を迎えます。道を間違うことのないよう皆様方からのご意見をお寄せいただくとともに、ご協力くださいますようよろしくお願いいたします。