今こそ温故知新と自助・共助・公助の精神で   愛知地域会会長 尾関 利勝
 このたび、JIA愛知の皆様から2004〜5年度の地域会長を拝命いたしまた。当初、前会長よりご推挙をいただいた際にはとまどい、決断に時間を要しました。と言うのも私は建築家でありながら『まちづくり・社会開発』を主な職業とし、設計監理に携わるのは5年に1回程度だからです。しかし、会員である以上、会務の役を担うのは義務であり、私のつたない経験とネットワークがJIA愛知のお役に立つのであればと決断しました。2年間、ご指導ご協力よろしくお願いします。
今だからこそ温故知新で
 JIAは今、歴史的な節目に立っています。一昨年から継続職能研修プログラム(CPD)を開始し、昨年度から登録建築家制度を始めたように、JIAの諸先輩による職能確立をめざす長年の努力が、ようやく一つのカタチになりました。たとえそれが不満足なものであれ、現役の会員にはこれを継承し、発展させていく義務があります。歴史は生まれたときから始まるように、これらの制度もすでに改革の対象でしょう。会員の積極的な参加で、より充実した社会性の高い制度にしていくことが私たちに求められていると自覚します。これが温故知新の意味です。
組織は自助・共助・公助で
 数年前、知的障害者の支援活動で活躍する「NPOふわり」の代表者である戸枝さんから「福祉は自助・共助・公助が原則」と言うお話を聞いて感銘を受けました。このことは福祉に限らず社会一般に共通する自律的な組織成立の原則だと思います。
 JIAは会員・会費種別統一の動きの中で財政基盤の確立が重要課題であり、その基礎は会員増強です。会員が減少している事実をふまえて、参加することに意義のあるJIAであることが強く望まれます。このようなJIAは誰かがしてくれるのを待つのではなく、会員自ら担い手にならなければ出来ません。同様に職能確立は建築家一人だけで出来ることではなく、多くの建築家が手を携え、市民・社会の支援と行政の理解があってこそ可能なことです。このことが自助・共助・公助の意味です。
 この2年間、従来の委員会・研究会・地区会など会員の自発的活動を継承し、多くの会員が参加し、建築家の仲間を拡げ、社会と連携していく『参加・拡大・社会連携』を基調に地域会運営を進めていきたいと考えます。よろしくお願いします。