社会と市民の連携を求めて地域会の抜本的な改革を       静岡地域会会長 大石 郁子
JIAの永年の懸案である建築家資格制度は、初の「JIA登録建築家」1,069名を認定し、静岡地域会からも27名が認定されました。建築家資格制度が試行段階を経て社会的制度として定着するためには、市民に密着した地域の活動によって社会に認知されていくことが最も重要なことで、市民との連帯活動をさらに押し進めていきたいと思いますが、まずは大多数の会員が自覚を持って登録申請をすることが必須です。
 昨今、静岡県では設計者選定に関してさまざまな問題が起きており、入札によらない設計者選定の推進は重要な課題です。昨年度末、県内全市町村長宛に、正しいプロポ−ザルなどの実施に関する要望や支援について文書を送りましたが、次のフォローをしていかなければなりません。
 会員・会費の見直しにより2005年度からの会費改定の実施が決定しました。会員個人にとっては会費の半減は歓迎すべきことですが、会費収入は当然のことながら減少し、本部は会員を2,000名増員して今の財政が維持されると試算しています。静岡地域会40名の増員です。近年の会員数の推移をみれば40名の会員増強は非常に難しい問題で、支部・地域会への交付金の削減は必定で、地域会にとってこのことは会の存続に係わる重大な問題です。一昨年から組織、財政に関して改革特別委員会を設置して、役員の減少、関連団体との連携の見直しなど、改革できるところから着手してきましたが、もっと抜本的な改革が迫られています。一つは組織のスリム化、本部・支部・地域会・地区会という4重の構造では管理費だけでも嵩むことは明らかです。永年地域会と地区会の在り方については論議を重ねてきましたが、さらに支部と地域会についても、市民との連携、設計者選定問題などの行政への働きかけを考えると、やはり地域会活動が基本だと思いますから、地域会活動がやりやすい組織に再編するよう本部、支部にも働きかけていきたいと思います。また地域会事務局の問題、地域会費徴収の問題など、早急に具体策をまとめ解決しなければなりません。
 今、地域会は困難な問題を抱えてはおりますが、当面の重要課題である会員増強のためには参加意識を喚起するような活動を展開し、ひいては建築家が市民に認知され、社会から信頼されて仕事ができる環境づくりのために、今年度も会員の皆様のご協力を切にお願い申し上げます。