静岡地域会
 ゴールデンウィーク直前の4月28日(木)、ホテルアソシア静岡ターミナルにて総会が開催された。物故者への黙祷が捧げられた後、議案審議が行われ、2003年度事業及び決算、新役員、2004年度事業計画及び予算などが承認された。
 大石郁子会長のあいさつでは、次のことが話された。建築家資格制度において、静岡地域会では27名が認定されたが、社会的制度として定着するには、市民に密着した地域の活動によって認知されることが重要なこと。まず、会員が自覚を持って登録申請することが必要である。入札によらない設計者選定の推進では、公共建築設計者選定支援協議会を立ち上げ、独自に審査員リストを揃えた「QBS」の支援体制を整備。県市町村長宛に、正しいプロポ−ザルなどの実施に関する要望や支援について文書を送った。会員・会費の見直しは地域会の存続を左右する重大な問題。改革特別委員会を設置し、役員の減少、関連団体との連携の見直しなど、着手してきたが、組織の簡略化も必要と考える。市民への活動は、ア−キスク−ル、建築フェアを実施した。今、難しい問題を抱えているが、当面の課題である会員増強のため、ひいては建築家を目指す後輩のためにも、様々な活動を通し社会に認知され、信頼されて仕事ができる環境づくりをしていかなければならない。
 総会終了後、手塚貴晴氏を講師に記念講演会が開催された。「屋根の家を中心にクライアントとアーキテクト」と題し、とても楽しい講演会であった。会場を替え、多くの来賓の方々にお越しいただいた懇親会により、総会の一日が終了した。
(村松謙一/JIA静岡広報委員長)
愛知地域会
 愛知地域会2004年度通常総会は多数の会員の出席のもと5月14日(金)APAホテル名古屋錦において開催された。
 総会に先立ち、今期で退任となる南石周作会長が挨拶に立ち、2年間の活動の総括として建築家資格制度の立ち上げ、CPDの継続、並びに、ネットワークを計るという活動方針に基づく幅広い地域会活動の成果を活動総括表をもとに報告された。
 引き続き、出席者49名、委任状による出席94名の合計143名が定足数である年度末正会員数280名の1/5を満たしていることを確認し開会が宣言された。議長選出等のあと議事に入り、最初に2003年度事業報告と収支決算の説明並びに監査報告がされた。事業報告では、着実で幅広い地域会活動や登録建築家の認定状況等が報告され、収支報告では、予算を上回る収入と予算を下回る支出により本年度が黒字であった旨の報告があり、一括審議のうえ承認された。続いて役員選挙の経過並びに結果の報告があり、審議のうえ、尾関利勝会長以下4名の副会長、2名の監査及び各室長、委員長が決定した。
次に新会長より、2004年度事業計画案として本部・支部事業への協力・支援のほか、CPDの拡充や登録建築家制度の推進等の職能の確立に関する事業を始めとする五つの事業計画が説明され、収支予算案と合わせて一括審議され盛大な拍手により承認された。以上で総会は閉会し2004年度の地域会活動がスタートした。
(鈴木慶智/JIA愛知ブリテン委員長)
岐阜地域会
 4月16日(金)、グランベール岐山において、2004年度総会が開かれ、宇佐美晃三会員の司会のもと、議題が進行した。
 2003年度の事業報告を車戸前会長から、2003年度収支決算報告を大瀧繁巳会計から説明があり、その後審議を諮り、全員一致で可決された。続いて任期満了による役員改選について車戸前会長から2004年度の地域会長に加藤幸治氏を推薦され、加藤幸治会長から挨拶いただいた後、2004年度加藤会長以下全役員の改選について審議を諮り、全員一致で可決された。その後、2004年度の事業計画及び2004年度の収支予算書が、加藤会長から読み上げられ、建築家の職能のPR、建築家資格制度の啓発、まちづくりの提案など社会活動の推進などに重点を置く他、河川環境楽園(川島町)の淡水魚水族館の見学会、その他種々の講演会を実施予定など、今年度の事業内容について審議を諮り、全員一致で可決された。
 続いて協議事項では、車戸前会長から旅費等の規定についての検討を盛り込んだ申し送りがされ、総会は無事終了した。
 総会後、グラフィックデザイナーの加藤周三氏を迎えて講演が開催された。氏は「わからないことをわかりやすく」をモットーにされ、名古屋ボストン美術館のロゴなどの実例写真などをスクリーンに映し出しながら、デザインについてわかりやすい講演をいただいた。その中で、デザインは人と人の間に入ってくるものであり、言葉の整理を含めた伝達手段としてのデザインの大切さについて触れられ、良いデザインのあり方を改めて学ぶことができた
三重地域会
 4月16日(金)、ポートメッセ名古屋会議室において開催された。今年は、INAXトステムグループによる展示会の開催期間中で、賛助会員のINAX高橋真一氏のご協力を得て、展示会と建築の見学を兼ねて名古屋で行われた。総会出席者14名、委任状出席者7名、合わせて21名で定足数を満たし成立した。
 冒頭に中村久前会長、上村貞一郎東海支部長の挨拶があり、その後議事に入った。2003年度事業報告・収支決算の報告に続いて、2004年度役員構成・事業計画・収支予算の説明がなされた。この内、収支決算に計上されている一部の事業について、内容説明不足と会計処理方法の問題点が会員より指摘され、修正条件付ですべての議案が承認された。
 事業計画では、「建築ウォッチング」、「建築文化講演会」、「研修会」、「『建築家カタログvol.2』の発刊」、「建築展の実施」が示された。
 役員構成承認の後、森本昭博新会長から、「本来は基本方針があっての事業計画だが、形式的な言葉を並べるのは苦手な性分。建築家の仕事を一般の人に理解していただけるよう会員一人一人が日常の仕事においてレベルアップを図り、がんばっていい仕事をしていこう」と、率直な言葉の中に本質を含んだ所信を述べられた。
 総会終了後に展示会を見学してからバスで移動し、豊田市美術館〜愛知県緑化センターを訪れた。春ただ中の快晴の愛知で気持ち良く見学を終えて三重へ帰り、懇親会が開かれた。出席者は、賛助会員を含めて17名。
(村林桂/JIA三重広報委員長)
東海支部
 東海支部2004年度通常総会は、愛知地域会総会後、同日16時からAPAホテル名古屋錦で開催された。出席者は68名、委任状出席者(有効分)は177名で、東海支部会員442名(3月31日現在)の1/5の定足数を満たし、総会は成立した。
 谷村茂前東海支部幹事長の司会進行で本部より来賓の河野進副会長が紹介された後、上村貞一郎前東海支部長があいさつに立った。
 上村前支部長は、この2年間の在任期間を振り返って、諸国際状況や国内景気と併せてJIAも困難な状況であったが、その中で2003年度に登録建築家制度がスタートしたがまだ旧勢の1/4であること、また、CPD試行4年を経てなお当支部にしてまだ30%程度の履行率で努力義務感未定着なことを取り上げた。
 議長に田邉尚美氏を選出後、第1号議案・2003年度事業報告が上村前支部長から、第2号議案・2003年度収支決算が田中英彦財務担当幹事から報告され、併せてその監査報告が三浦忠誠氏から行われて一括審議され拍手承認された。
 1号議案では、支部会員数が年度始め473名が年度末442名となり31名の会勢後退が懸念されることや、開始された登録建築家募集により3月31日現在東海支部合計で113名の登録建築家が誕生したがまだ低調であることが注目された。2号議案では、活動を発展させながら緊縮予算を実践できたことに特段の監査評価が寄せられた。
 続いて議事は2004年度事業・予算に移行するが、その前に第3号議案・(新年度)役員選任に関して、森鉦一選挙管理委員長から報告され新役員が承認された。
承認された新役員は、昨年定数改訂された静岡2・愛知5・岐阜2・三重2の計11名の幹事と2名の監査とで下記の通りである。
[幹事]大石郁子・清峰芳(静岡)
     尾関利勝・小田義彦・田中英彦・服部滋・水野豊秋(愛知)
     宇佐美晃三・加藤幸治(岐阜)
     池澤邦仁・森本昭博(三重)
[監査]鈴木力(静岡)・藤井孝一(岐阜)
 その後、第4号議案・2004年度事業計画(案)と第5号議案・2004年度収支予算(案)が、それぞれ、本田伸太郎新支部長と小田新幹事長から提案され、一括審議・拍手承認された。
 4号議案冒頭で本田新支部長があいさつを述べ、「JIAはここに来て大きな変革期を迎え、2005年から36,000円定額会費となり財政的に苦悩の時代となる。全国で2,000名、支部按分だと200名もの増員をやり遂げる必要があり、各地域会にはとくにこのことをよろしく」と訴えた。また、事業計画の中で、以前から継続の諸案件のほか、@JIA大会・支部大会開催の準備、A会員増強(100名増員目標)、B国際交流/AIA-LA支部との交流の増進にとくに力点を挙げた。
 5号議案においても特徴的なものは、「出」を制するための予算科目除外項目を設定したり、会費収入減少に備えた積立金枠を新設するなどの緊急策であった。
 本支部総会は以上5議案の円滑な審議・承認を得てほぼ予定通りに終了し、いよいよ本田支部長と新役員のもとで2004年度のJIA東海支部活動が本格始動する。財政等の難局と支部大会等目玉事業に向け、活発な展開を期待したい。
(鈴木利明/JIA愛知前広報室長)