次世代の建築家の育成と市民の理解を求め準会員制度の導入を検討      理事 上村貞一郎        
◎第135回理事会報告
日時 2004年4月21日 13:30〜16:30
場所 JIA会館3Fセミナールーム
議長代行に橋本修英副会長を指名
議事録署名人に森口雅文、水野一郎理事を指名
■審議事項
1 2004年度通常総会議案の件
2004年度通常総会に関連する行事日程が示され、総会前日に25年賞の審査会と地域会合同会議が開催される。
(1) 2004年度事業報告及び収支決算に関する件
 今年度収支決算について報告があった。今年度は170万円の赤字でスタートしたが、約330万円の黒字決算の予定である。会費収入の納入率の向上と会員数の減少が下げ止まりの傾向にあり、予算額より会費収入が800万円の増収となった。その他補足説明として退職積立金に1765万円、広報積立に入会金84.5万円を当てたこと、建築家資格制度特別会計の次期繰越金490万円は、本部会計広報積立金の繰り入れ運用した500万円の返済金に充当する旨の説明があった。この議案について全員一致で了承された。
(2) 正会員の会員種別及び会費種別の改定に関する件
 河野進副会長より提案説明があった。会員種別は登録建築家制度の発足に伴い正会員は登録建築家、未登録建築家、専門会員の3種とする。会費は年額36,000円、入会金は12,000円とする。諸事情により一定期間業務から離れる者、離れようとする者は非登録建築家会員として、協力会員とともに会費18,000円とする。適用時期は現行会員には2005年度から、今総会後の新入会員は2004年度からとする。官公庁、教育関係の現正会員は3種の新たな種別を選ぶか、協力会員に種別を変更するかは個人の選択に任せる方針が示された。準会員制度はすでに取り入れている支部、地域会もあり、各支部、地域会での導入が妥当であり、若手会員、学生会員、市民会員の種別を設け、次世代の建築家の育成、市民の理解者を増やしたいと報告された。
(3) 倫理規定・行動規範改定の件
 太田隆信倫理規定委員長より前回の理事会での議論を踏まえ環境に関する記述を加えた。ガイドラインをカッコ書きとし、行動規範という呼称を残した。ガイドラインは倫理規定の具体的内容であり、補完、改変については理事会の審議承認を得て逐次進めるものとする。行動規範に違反した場合は懲戒理由になるかとの問いに、抵触すれば懲戒理由に相当する。倫理規定に記述された“職能倫理”という用語の職能の文字を削除すること、憲章の“高度な専門技術は残す”の高度は残すことで賛成多数で承認された。
(4) 正会員資格要件としてのCPD見直しに関する件
 小倉善明実務委員長からCPDを正会員の義務規定から外し、登録建築家更新要件として位置付けCPD規則、細則から必須の記述を削除する改定案が説明された。これに対し各理事から意見が出され、CPDは会員の義務として残す必要がある。会員の取得義務は残るが、努力義務として、資格喪失には繋がらないこと。会員義務から外すという表現、議案名が誤解を招きやすい。会員に今回の改定について制度の整合性、制度の在り方を分かりやすく説明する必要がある。提案趣旨の表現を誤解のないように改めることとして全員一致で承認された。
(5) 2004年度事業計画及び収支予算案に関する件
 2004年度事業計画に関して支部地域会が主体となった活動、他団体との連帯と協同活動、次世代のための新たな魅力ある組織づくりの推進が小倉次期会長から説明された。2005年度会費改正に伴い会費の減少への対応として、会員増強を最優先事項として広報活動に重点を置いた予算組がなされている。一般会計の500万円、建築家資格制度特別会計の400万円が広報費に当てられる。新入会員会費、入会金500名分を見込んで予算化している。その他会員種別会費改定に伴うコンピューター開発費として500万円を計上、地域活動助成費は今年度より計上しないこととした。国際交流基金の原資2億7000万円の利息1100万円、利息積立金230万円を合わせた1330万円を収入として計上、UIA誘致活動費500万円、誘致成功時のUIAへの支払い前途金を毎年480万円積立ていく方針が説明された。建築家資格制度予算に関しては申請900名分、登録500名分を計上している。支出は2003年度の実績に合わせているとの説明があり、全員一致で承認された。
(6) 終身正会員の件
 4名を終身会員へ推挙する件は全員一致で承認された。
(7) 名誉会員の件
 4月12日に逝去された藤井正一郎元JIA初代専務理事を追悼の意を込めて名誉会員に推挙することが承認された。
(8) 役員選任の件
 2004年度新任役員16名を総会で選任することが承認された。
2 名誉会員に関わる会員・会費規定の一部見直しの件
 2001年1月の改訂以前の規則に戻し、名誉会員は会費の免除がされることの提案が承認された。
3 西部明郎理事辞任の件 
西部理事より理事辞任と退会届が出され理事会で承認され、近畿支部選出の理事を1年間の欠員とすることで承認された。
4 2004年度委員会構成の件
変更のあった委員、新任の委員については承認された。
5 JIA-建設コンサルタント協会、協同宣言パンフレットの件
建設コンサルタント協会と設計者選定法を目指し昨年来協議を行ってきた。「美しい国づくりをみんなの力で」と題したパンフレットを現在まとめている段階であるが、景観緑三法の制定が想定される。国の審議に合わせて合同記者会見を行い、それに合わせたパンフレットを発表する件について、承認された。
6 新規入会者、退会者および休会者承認の件
入会希望者31名、退会者100名、休会希望者22名について報告があり承認された。
7 後援名義承認の件
 後援5件、協賛4件、共同主催1件につき承認された。
■報告事項
1 活動報告
時間の関係上省略され配布資料で確認をした。
2 支部長会議報告
とくに地域会に関する討議がなされ、支部別の現状報告がされた。特色のある運営がされており、今後は会員増強、また身近な業務の問題を国土交通省に意見を具申するなど、積極的な対応が望まれるとの意見が出された。
3 2011年UIA大会誘致活動委員会報告
5会会長会議で芦原太郎UIA誘致活動委員長がオブザーバーで出席して、UIA東京大会誘致に向け協力を要請した。各支部での積極的な活動と支援活動ならびに人の派遣をお願いしたい。
4 JIA建築選集、JIA大賞の創設について
松原表彰委員からJIA建築選集を発行して、その中からJIA大賞を選定する案が報告された。2005年度からの実施に向け検討し、具体的な内容の承認を得たいと報告があった。
5 2004年度の理事会、支部長会議の日程確認がされたとの報告があった。