| JIA東海支部講演会 小倉善明 次期会長を迎えて(CPD認定プログラム) 支部・地域会の主導的立場をのぞむ |
| 田中英彦/連空間都市設計事務所 |
| 3月31日午後4時より6時まで、昭和ビル9階会議室において、小倉善明次期JIA会長を向えて、小倉善明次期JIA会長を向えて講演会と質疑応答が満員の会場で行われました。以下に講演要旨を記します。 |
| 建築家資格制度の実現目指す 「JIAは建築家資格を作ろうとしている団体である」 |
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冒頭小倉氏が口火を切られ、これまでの資格制度の経緯を大きく3つにわけて説明された。第1回目は職能法を作ろうとして失敗、第2回目では専業兼業問題で紛糾し、第3回目、鬼頭梓元会長によって資格運動を展開するが、志が高過ぎて他団体の協力を得られなかった。これらの反省点を踏まえ、認定建築家制度はJIA内部だけの認定ではなく他団体の協力を得ながら第3者性のある制度へと進めてきた。そもそもこの制度の目的は他団体と足並みを揃えて国に働きかけ、建築士法を改正することである。 認定資格制度の基本的な骨組みは、大宇根弘司現会長体制によって確立され、5月に開かれる本部総会では、資格制度の骨子となる会費会員種別、CPD、倫理規定が議決事項として諮られる。承認を得れば資格が他団体との相互認証となって国家資格制度への道のりは避けて通れない。5月の総会は認定建築家資格の最初のステップとなる。 4月に行われた第2回目の登録家認定によって登録建築家は1,010人を超える。JIAでは建築家資格の取得を基本要件とし、正会員全員の登録建築家をめざす。国土交通省への働きかけは、建築家資格制度が成功し、専攻建築士制度と一体となってから行う。建築家資格が、技術的、倫理的に優れた資格であることを社会に広げていくことが重要である。資格制度の重要な柱である大学教育については、ユネスコ、UIA協定と同じレベルになることを目指し、JABEE(日本技術者教育認定機構)では数年後に国際的レベルの教育が実施されるように働きかける。また、実務経験については会員が所属する事務所で実務を積み、試験を経て認定する。そのため、実務認定が定着するには支部、地域会に頼ることが大きい。 |
| 支部・地域会が主役の活動へ |
| 2004年度はJIA活動にとって歴史的な節目にあたる。それは建築家資格制度や入札によらない設計者選定の運動など、これまでの論理的展開や計画段階を終え、実践に移る段階になったからである。そのために実行体制として、本部はJIA活動を主導するのではなく、支部・地域会の運動を支援する立場に変わる。つまり会社組織の様なピラミッド型でなく、上に支部、地域会、下にそれを支える本部とした逆ピラミッド型としたい。そして、市民、クライアントは上部で支部地域会と同レベルに位置する。したがって、他団体や市民との接点となる地域会・支部の活動がJIAの中で重要になる。 |
| ストップ欠陥建築 |
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現在、市民に建築家資格制度を理解してもらうために、市民向けの建築資格制度のパンフレットを作ろうとしている。パンフレットの表紙に「ストップ欠陥建築」としたが、これは建築士が業務独占しながら、欠陥建築が発生するのは建築士法が十分機能していないことを伝えたいから。パンフレットをわかりやすくするために、住宅を前頁に掲載し、欠陥住宅をなくすQ&A等も考えている。 しかし、多摩の団地での3棟何百世帯にわたる欠陥住宅、新潟港の通路橋落下等、欠陥建築が社会問題となっているが、複雑な設計監理の分離発注にも問題があり、この場合責任の所在が曖昧となり、発注方法の見直しが迫られている。 昨年7月に国土交通省は「美しい国づくり政策大綱」を公表し、このほどいわゆる「景観緑三法」が制定された。美しい国づくりとするために、建築、土木と異業種の職能団体が歩調を揃え、画期的な活動をしようとする動きがある。建築の5団体(JIA、建築士会、設計事務所協会、建築学会、BCS)協同は言うまでもなく、都市計画協会、ランドスケープ・コンサルタント協会等の職能団体との協調が必要とされる。 |
| 会員増強が急務 |
| 2004年度から新会員は36,000円、現会員は72,000円。2005年度から一律36,000円となる。一律年会費36,000円が導入された場合、会員の増強ができなければ、5,000万/年減収する。本部では計画段階を終え、支部、地域会でどう活動を展開するのか、役割分担の方向が決められていないと危惧している。現在、地域会での会費の徴収は認められておらず、9月を目途に、会費のことを含め、支部長会議で議論する。 会員種別では、現在登録建築家、未登録建築家(一級建築士ではない。一級建築士取得後3年、数年後登録建築家となれる人)、構造、設備設計者などの専門会員、学生の準会員制度などの種別を考えている。 近年再開発プロジェクトに外国人デザイナーの採用が多くなっている。中でも米と中国が連携しながら力を伸ばしている。建築産業も国際化となり、世界における日本の存在感を強めるには長期的視野が求められる。 |
| その後、質疑応答が設けられ、会員要件とCPD、会費等、JIAが直面する諸問題について真剣な議論が時間一杯行われた。 |