理 事 会 レ ポ ー ト

建築家資格制度の確立をめざして国内、海外との連携を密に    理事 上村貞一郎

◎第130回理事会報告
日時 2003年5月29日 10:00〜12:00
場所 JIA会館3階セミナールーム
議長に河野進副会長を指名、議事録署名人に僥石友秋中国支部長、浅井康行理事を指名。

■ 報告事項
1.後援、協賛事業の承認
 主催1件(EAST−EAST巡廻展)後援1件、協賛3件を承認。
2.4月末から5月の活動報告
 国際委員会岩村和夫理事から報告された。UIA加盟協会会長に宛てた書簡で、「Celebration of Cities(わが町万歳)」という三年間のプログラムの実施が決定され、プログラムの一部に国際コンサルテーションが実施される。これは世界の建築家および建築を学ぶ学生を対象に、彼らの町、都市、あるいは彼らが選んだ町、都市に対するアイデアを提案してもらおうとするものである。まず国内での設計コンペを組織し、そのいくつかを2005年UIAイスタンブール大会で発表し、次に国際審査で競う。また町、都市の首長、都市プランナーを巻き込み、この試みに対し熱意のあることを期待したい。
国内のコンペのガイドラインによると日程は次のとおり。
・アナウンス         2003年6月中旬
・UIA各加盟協会登録締切   2003年10月10日
・地方レベル審査(支部)   2003年12月20日
・全国レベル審査       2004年1月20日
・選抜案UIA本部提出(プロ5案、学生5案以下)及び関連登録費支払い期限      2004年2月19日
対応が急がれまた予算処置が求められるので検討してほしい。
 つづいて広報委員会として、国広ジョージ広報委員長から、本部機関誌について説明があった。本部の機関誌は今年度から『建築家』とネーミングを変更すると同時に、編集の構成も改編して社会に向けたテーマを設定した。なお『建築家』は店頭でも販売を行ない、現在120部の引き合いがあった。今後の編集としては、建築家資格制度のニュースは積極的に取り上げていきたい。また、デザインについて意見等がある世代論的コラムは変更し、調整していく。機関誌について意見等があれば支部の広報委員まで申し出てほしい。また大宇根会長から、事務所内の所員にもぜひ読んでいただきたいとコメントがあった。
3.5月28日に開催されたワークショップについて
 兼松紘一郎理事から報告があった。社会に向けたテーマを設定したワークショップには60名の参加があった。ワークショップは6つのセクション(都市災害、環境、保存、街づくり、ハートフル住環境、相談)に分けて、そのまとめについては後日提出されるので、今後の活動につなげていきたい。その中で都市災害委員会は本部のみにあり、支部にはない。市民の中で活動しなくては、信頼されない。ぜひ支部、地域会でも活動の場を検討してほしい。保存部会では各支部で社会に対し、発言していくには部会ではなく委員会として設置してほしい。環境行動委員会については、これまで支部と本部の関係がこれまで希薄であり、今後の検討が求められる。その他各セクションからも同様の意見があった。
 その他JIAは社会に理解を求め、活動を行なっていくため、パンフレット作成の必要があるとの質問に対し、事務局ではパンフレットを作成する方向であり、来年度の予算で作成費を計上し、内容については広報委員会で検討していくとのこと。また『建築家』の配布についての質疑があり、それに対し現在各支部に50部、120個所の図書館に配布しているとの報告があった。
4.元JIA顧問弁護士への感謝状等の贈呈
 2002年末でJIA顧問弁護士を引退された瀬尾弁護士に対し、感謝状と記念品の贈呈を行ないたい。なお通常総会には欠席されるため、後日手渡ししたい。なお後任の顧問弁護士は、現在相談委員会、関東甲信越支部顧問である松浦弁護士に依頼することとし、すでに了解が得られている。
5.ASA大会、AIA大会の報告
 4月23日タイのバンコクでASA大会が開かれ、国広広報委員長が会長代理として出席した。大会では、UNESUKO−UIA Vaildation of Architectural Education,APEC Architectに関する日本デリゲーションについて、JIAの立場を説明した。ASAよりUIAリージョンWの組織構築を説明、2005年ARCASIA会議の開催地にタイが立候補することへの協力を求められた。AIA大会が5月8〜11日サンディゴにて開催され、大宇根会長以下5名が参加した。各国会長が出席するpresidential会議ではQBSの取り組みについて、JIA−AIA会議ではJIAの建築家資格制度の確立について活発な意見交換がなされた。
6.新人賞の中間報告
 穂積元会長を中心に3名の審査員が参加して、第一次審査を行ない、応募点数44点から4点が選出された。今後現地審査を行ない、新人賞2点を決める。なお新人賞の条件としてJIA会員であることが求められているため、候補者4名の内3名については、JIA入会が承認され、現在手続き中であるが、1名については手続きの督促を行なっている。
7.今後の建築家資格制度推進委員会の作業、スケジュール報告
 橋本委員長より報告があり、6月中に記録システムの設計を完了し、指名入札による開発/管理業者選定を行なう。本部、支部実務委員会の立ち上げと、建築家資格制度で必要な細則の策定を行ない、7月の理事会で承認を得たい。会長から日本建築士会連合会との2会合意に基づくCPDは、情報交換を行ない、記録も共同でできないか。また地域会レベルでの交流を士会単位会で交流を深め、CPD、資格について密接に検討してほしい。
8.JIA建築家国際交流基金助成の基本的考え方について
 柳澤璋忠専務から次の報告があった。一般会計で負担する経費として、1)加盟国際団体の会費、2)その団体の義務的経費、3)団体への義務的会議への出張旅費、4)その他準ずる費用。そのほか国際交流基金で負担すべき経費として、1)個人の資格で行なうものであるが、JIAを代表するとみなされる国際活動、2)わが国の建築界全体のために行なう国際交流事業および活動。以上を基本ルールとして助成することとし、細則ではなく書面として記録し、弾力的運用をしていくこととした。国際交流基金運用としては、@円、AUSドル、Bユーロで運用し、運用先としては格付けがトップクラスの国債、銀行の定期預金を原則とする。との報告があった。

審議事項
1. 新規入会、休会、退会者の承認
 入会者6名、休会者2名、退会者17名の報告があり、承認される。退会者はできるだけ特別の働きかけをする必要があり、支部にて検討していく。
2. JIA外部アドバイザー制度規定及びアドバイザー候補
 小倉善明副会長より説明があった。規定の第5条の選任分野については、1)学識経験者、2)マスコミ関係、3)市民代表、4))クライアント関係、5)その他となっているが、理事から法曹界、芸術文化など、文芸などの分野も入れてほしい。また建築、建設界以外の分野の方にするのはどうかとの意見も出され、WGで検討し、次期理事会で再度審議することになった。
3.2003年度通常総会における議案スケジュールについて
 入会金の継続について来年度予算審議の前に審議をしてほしいとの提案があり、資格制度は方針、規則予算を一括審議議決することで決定した。
4.その他
 白紙委任状の取り扱いについて、会長に委任することを了承した。総会出席者126名、委任状1,983名、総数2,109名で総会は成立すると報告された。委任状に印のない57名については無効とすることとした。

◎臨時理事会
日時 2003年5月29日 12:00〜13:00
場所 JIA会館3階セミナールーム
議長に河野副会長を指名し、議事録署名人に僊石友秋中国支部長、上田堯世四国支部長を選任。

審議事項
 総会に先立ち進行調整のため臨時理事会を開催、総会議事に必要な要件を承認する必要から、2003年度理事による理事会を開催し、総会議決に伴う事項は総会後に臨時理事会を開催する。
1副会長選任の件
 河野副会長の留任、小倉善明、古谷誠章、橋本修英各理事を副会長に選任することを了承する。第一副会長に小倉氏、ついで河野氏、古谷氏、橋本氏の順とする。
2支部長選任の件
 北陸支部長に水野一郎理事、沖縄支部長に国場幸房理事を選任することを了承する。
3企画運営会議委員の指名について
 会長、副会長4名、松原忠策関東甲信越支部長、国広広報委員長、山口洋一郎神奈川地域会長を指名することを了承する。
4.委員会・部会構成の件
 2003年度委員会構成と部会再構成について了承する。
5.2003年理事会等開催日程の件
 理事会、支部長会議、企画運営会議の開催日程を了承、8月に開催される1泊支部長会議に理事の出席も可とした。
6.退任役員への感謝状贈呈を承認。
 総会後臨時理事会を開催、議決事項等を承認した。