理事会レポート
2003年全国大会は滋賀で開催      理事 東海支部長 上村貞一郎
理事懇談会がJIA2002沖縄大会の前日の10月10日(木)13時から沖縄コンベンションセンターで開催された。はじめ、理事懇談会ではあるが、理事会として議決する必要事項が生じたため、臨時理事会として決議をお願いしたいと坂本克也副会長から説明があり了承された。出席確認が行なわれ、出席22名、欠席5名で定足数が確認され、理事会が成立した。議長代行に坂本副会長、議事録署名者に出澤潔、兼松紘一両理事を指名した。
■審議事項
1. 大会開催方式と開催地について
 前回の理事会で2003年以降の大会開催方式については、隔年で関東甲信越支部と近畿支部が交互にJIA全国大会を開催して、その間の年は各支部で開催する支部大会に、本部行事をともに共催する案が承認された。今年度の沖縄大会は全国大会となり、来年度の大会は支部大会を開催している東北、東海、北陸、近畿、九州のいずれかの支部大会に併催することになり、各支部に全国大会の開催を各支部に検討していただいていたが、立候補する支部がなく、次年度の開催について検討を行なった。
 関東甲信越支部からは、「2004年に全国にJIAを理解していただくため、他会とも連帯できる全国大会を開催したい。そのため2003年の開催は無理である」近畿支部は「2003年に滋賀で支部大会を計画しており、それに上乗せすることはむずかしい」、東北支部は「協議したが、来年は困難である」、東海支部は「2005年に愛知万博に合わせることができれば開催したい」、との意見が出たが、近畿支部からあらためて滋賀支部大会に併催をするとの提案があり、理事の承認を求め全員一致で承認された。
 2004年の全国大会は関東甲信越支部で開催し、開催委員長に松原忠策関東甲信越支部長が就任、近畿支部からも委員を選出することで承認された。
 この後、理事懇談会に移った。
2. 会員種別・会費種別見直しについて
 会員種別・会費種別検討特別委員長河野進氏より説明があった。JIAの抱える課題の一つとして会員種別・会費種別見直しがある。2000年9月、総務委員会からこの答申書が提出されている。その論点は次の内容である。
1)正会員種別が主宰者、協同者、一般、その他と多岐に分類され、建築家としての業務責任を持つ者の組織として社会的容認が得られにくい。
2)CPDの義務化により建築家個人に立脚した団体のあり方がより明確化される中で、会費額が異なる正会員が存在することへの権利義務関係のアンバランスが生じる可能性がある。
3)会費額の相違による会員の不公平感の是正
4)会費の低減により若手会員を中心とした会員増強の効果が期待できる。
5)設立から15年が経過し、本・支部の活動実績の把握と会費の使われ方、活動費の配分のあり方に関する見直しの時期にきている。
 しかし答申としては具体的な検討が進まず、今年度特別委員会を設置しさまざまな視点から検討が重ねられている。見直し案についてはできるだけ多くの会員の声を聴取したいと考え、アンケート調査をしたいとの報告があり、会費改定モデル案として次の案が示された。
@−1 一般会費を36,000円に統一し、事務所会費を別途徴収
@−2 一般会費を36,000円に統一し、支部会費を別途徴収
@−3 一般会費を36,000円のみとして、別途徴収しない
A平均会費を54,000円に統一する
B従来どおりとする
以上の説明があったが、「一概に結論を見いだすことは困難であり、まず会員にその現状を説明、理解を求めることが大切である。拙速にアンケートをとることには問題がある」との意見が出された。
3. 資格制度推進について
 日本建築士会連合会との間で「新たな建築資格制度創立に向けての2団体基本合意書」について、10月9日に最終の合意案が双方の了解を得たので共同声明として発表された。また、この件については日本建築士事務所協会連合会にも伝達してある。
 大宇根弘司会長の今JIA沖縄大会での発言主旨は、2会の合意のもと、積極的に資格制度に取り組んでいくこと。まだ正確な理解を得ていないところがあるので、会員に説明して理解を求めていきたい。JIAの建築家資格はUIAの推奨基準によるが、過渡的処置としてすでに実行されている近畿支部などの資格制度は枠組みとしては建築士会の提唱する統括建築士に類似しているので、共同声明にしたがいこれらの問題を総括することを今後話し合っていく。
 理事からは「統括建築士と建築家は基本的に違うのではないか。いわゆる専業と兼業をはっきりすべき。JIAは第三者認定で早く行なうべきだ」等々の意見が出たが、時間の関係で理事懇談会は終了した。その後地域合同会議と合同し、資格について討論を行なった。
●10月支部長会議報告   2002年10月23日(水) 11時30分〜  JlA館5階会議室にて
1) JlA2002沖縄大会報告
山城東雄沖縄支部長より600名余の参加をいただいた。12月には決算報告をしたいと報告された。大宇根会長より山城支部長へ感謝状を贈呈したいとの意見に全員賛同した。
2) 2003近畿大会におけるJlA本部プログラムのあり方について(今後の支部大会との共通事項の確認)
2003年度は10月21日滋賀県大津市にて、近畿支部大会に併わせて全国大会を行なう。本部としては会長の基調講演、表彰関係、海外との交流、理事懇談会など定期的会合を行ない、本部関係の事業は、基本的に本部予算に計上する。その他CPD、行事などについては今後近畿支部と話し合いながら決めていく。
3) 2002年度地域活動助成費の申請結果について
10月16日付にて、9地域会から申請された額は合計217万円となり、その助成金が総務委員会にて決定している。
4) 倫理規定特別委員会の設置について
本年度総会において決議された職能5原則、倫理規定行動規範の見直しを行なうため、太田隆信氏を委員長に7名の委員で委員会を設置する。わかりやすい言葉で、建築の美についても検討し、次回総会をめどに討議する。
5) 2003年度名誉会員選考について
12月20日をめどに支部推薦の名誉会員の推薦をお願いしたい。選考委員の半数が交替した。
6) CPD案施に関する現況と課題について
申請プログラム配布後、自主申請が多くなっている。申請総数2,450件。
7) 建築家資格制度をめぐる動きについて
@2会をめぐる動きについて
  11月1日、士会連合会とJIA双方から3名ずつ出席して建築会館にて共同声明を発表する。
A資格制度推進委員会の動き
 東北支部より建築家資格制度の試行立ち上げについてパネル説明があった。その主旨は士会と話し合いながら、相互の資格を試行、検討し、運営、認定についても、最終的には一つの形にできるようにしていくことで、建築家資格を試行したいとの報告があった。理事からは、これまでの議論に立ち、資格制度推進委員会においても資格制度を立ち上げるための方策を検討したいとの発言があった。小倉善明、河野進両副会長より資格制度に関する今後の進め方について提案が出されている。
8) 対社会向け事業の展開について
@都市災害部会提唱による総合学習プログラムヘの協力について
 学校教育の中で防災などについて教育していきたいので、支部から5名ほどアドバイザーを登録してほしい。
AJABBEのアクリデイテーション審査員の派遣について
 工学会からの要請で、大学の工学教育の認定について審査を行なう。日本建築学会からは将来資格問題にかかわる事柄でもあり、全国体制で試行していきたいので協力をお願いしたいとのこと。
BQBS推進にかかわる審査員の地域における受け入れ体制について
審査員の問題もさることながら、まずQBS、設計者選定方式について全国的に理解とアピールをすることが必要である、との認識にたち全国展開を計ることとした。
9) 2000年度上半期支部別入退会の現状と財務状況について
会費納入状況は予定より2,400万円の減少である。納入の依頼と会員の増強をお願いしたい。
10) 支部における下期の具体的増強運動の展開について
各支部より次の発言があった。「会費が高い。JIAの魅力を出さなくては、第三者認定でJIA会員が建築家となるようにすべきだ。退会を食い止める努力をしている。CPD実施による会員減少がある」。