理事会レポート
CPD実施に向けて、細則案検討               理事 鈴木 武
本理事会もいつも通り多くの議案があり、村尾成文会長のあいさつもそこそこに、議長代行に芦原太郎副会長を指名し、ただちに議事に入った。報告事項13件、審議事項10件、協議事項3件が処理された。
■報告事項
・支部長会議報告が清水耕一郎九州支部長からあった。その他CPD認定プログラムの認定をめぐって、昨年「熊本の会」のメンバーが本部へ抗議をした。そのときの会員有志から現在退会届が出されている状況が話され、理由を明らかにした上で対処しようとしている九州支部の苦悩が報告された。
・UIA大会2008東京誘致委員会(拡大委員会)損文彦氏を委員長に国土交通省審議官、東京都都市計画局長、建築学会会長そのほか建築関係諸団体の会長など12名を委員とする第1回委員会が3月28日に開催される手筈となった。誘致に成功したときは、大会実行委員会の母体となることを期待したい。また今夏開催されるベルリン大会ツアーに6コース(CPD単位の対象)が準備されていることが紹介された。
・建築設計資格制度調査会は河野進氏(JIA)、藤本昌也氏(士会連合会)、鈴木俊夫氏(日事連)などの幹事を中心にした作業グループによるAPECアーキテクトヘの対応について、現在までに2回協議を行なった。若干の修正の上、3月6日の幹事会で原案をまとめ、3月26日の本委員会へ提出される予定である。
・建築士継続職能開発システムは、建築士法にもとづく指定講習を見直すため、建築関係8団体の委員により数年前から検討が進められ、「建築士継続教育システム研究会」がその検討成果をまとめ、2月12日に中間報告として公表した(JIAの代表は大宇根弘司CPD運営委員長、安田雅子常任参与)。その基本的考え方は、JIAが進めているCPDとほぼ整合するものとなっており、今後この作業は建築設計資格制度調査会の一作業部会として位置づけられる見通しである。
・国土交通省は昨年12月「CM方式研究会」を設置し、このほどその成果として『CM方式活用ガイドライン』を策定し公表した。さらに具体的に採用の促進策を検討するため、新たに「CM方式導入促進方策研究会」を設け、JIAからは中田久雄委員が参加する。JIAはコストの明確化など、CMの効果がより大きく期待できる建築についても、積極的に試行を行なうよう意見を提出する予定。
・IT戦略特別委員会は、昨年AIAより検討要請のあったインターネットを利用した情報サービスの事業化に関し、事業の立ち上げについては、現在時期が悪いとして見合わせる(可能性を排除するものではない)こと、しかしJIAが会員の業務環境の向上のために何ができるか、また何をすべきかはさらに検討すべきとした諮問に対する報告をまとめた。
・第9回地域合同会議を3月29日に開催する。例年、通常総会にあわせて開催していたが、本年は重要課題も多く日程を繰り上げて実施することになった。
・1月末時点での収支決算によると、前年度と比較して会費収入が1,840万円減少しており、支出の削減に努めてもこのままでは年度末決算において大幅な赤字となるおそれがある。年度末にかけて会費納入の促進にっいて、本・支部の強力な活動が要請された。
・JIA事業および財務の抜本的見直しのための特別会議は、大宇根弘司次期会長予定者を座長とし、方針会議が二回にわたり開催された。会費収納予測260,000千円を基礎数字とし、支出面における人件費、施設費、広報費など検討課題の洗い出しと対応の基本方針を決め、具体化の検討が個別に進められている。
■審議事項
1.新規入会14名、休会希望者15名が承認され、退会者31名が報告された。
2.2001年度委員会・部会構成にっいて、JIA大会2002沖縄実行委員会に沖縄支部の要請を受け、沖縄支部会員13名の追加を承認した。
3.総務委員会より、2003年度以後の「JIA大会」および「支部大会」の開催のあり方について、また会費制度見直しについて年内に制度改訂の結論を出すべく、二つの「特別委員会」の設置が答申され、承認した。
4.2008年UIA東京大会プロポーザルの(案)が公表された。登録者6,000名、参加者規模20,000人、上納金500,000ドルの納付条件(国際交流基金の一部1億円を米国債で運用し、利子の積み上げより拠出し元金は保持する)などを主な内容としたもの。さらに精査した上でベルリン大会でプロポーズすることを承認した。
5.UIA会費および学生賞贈呈の件UIA会費(42,686ユーロ=5,000千円)は、例年新年度予算の承認後に納付してきたが、2008年UIA大会誘致の立候補締切が3月末日のため、その時点で未納では具合が悪いと判断し、国際交流基金から一時立替払いをすること、またUIA学生コンペの支援として5,000ドルの来年度予算の先取りを承認した。
6.会員増強の件(前回よりの継続審議)会員増強特別委員会の出澤潔委員長より「@現行36,000円の入会金を来期にかぎって、6,000円とする。A入会金減額による会員増強は来期1年に限る」の2点が提案された。森口雅文東海支部長より、「入会費の減額はすでに入会した会員への説得力に欠け、不公平である。そこまでして入会させねばならないのか」の意見に、
 出澤委員長、柳澤璋忠委員より「第118回理事会の決定を受け、委員会が責任を果たそうとした結果である。また毎年5%の会員減があり、種々の手を打ったが、歯止めはかからなかった。何かしらのインパクトのある措置を考えないと委員会を設置する意味がなくなってしまう」。
 下村憲一北海道支部長は賛成の立場から、「会費を含めた会員種別の見直しは、経過措置として効果があるはずだ」と発言した。
 森口支部長は、先程の委員長の提案理由は理由にならないとして反対を表明したが、採決の結果、「入会金を減額する。ただし、金額は再考する」ことを条件に賛成多数で承認した。
7.名誉会員推挙の件支部推薦6名(北海道支部/上遠野徹会員、関東甲信越支部/大谷幸夫会員、宮本忠長会員、近畿支部/坂内幾男会員、富松助六会員、四国支部/山本長水会員)、会長推薦4名(高橋慶夫会員(近畿)、芦原義信氏、菊竹清訓会員、ジョン・アンダーソンAIA会長)の計10名の推薦を承認した。
8.理事補欠選挙の件九州支部小野敏昭理事より長期病気療養を理由に2002年1月26日付で辞任届の提出を受けたことに対し、辞任を承認した。また残任期間を任期とした補欠選挙を実施することを承認し、選挙管理委員会へ付託することとした。
9.2001年度予算流用および2002年度暫定予算執行について、高野事務局長が説明した。支出が年度予算を上回るおそれのある決算見込みの科目については、科目を流用し執行する。また2002年度の総会までの2ヵ月間の運営を、昨年度4,5月の実績を暫定予算として執行することについて承認した。審議の中で小倉善明副会長より「役員報酬160万円について、総会時決算次第で見直すという話があったが、赤字といえども会として上乗せ支給すべきだ」と発言された。総会議決事項であり、赤字が予測される中では困難といえるが、次回企画運営会議で整理するという会長発言で保留となった。村尾会長より公益法人の赤字決算に懸念し、中田亨専務理事が対処策を発言した。清水耕一郎九州支部長から、「本部財政の減収だけがクローズアップされているが、支部運営費も1,300万円の減となっている。支部財政としても赤字の危機にあり、このままでは何も事業ができなくなってしまう。減収が及ぼす中味を見直してほしい」と要望された。
10.CPD実施方針の件(前回よりの継続審議)
 CPD(試行)評議会委員長鬼頭梓氏より、前回の論議を踏まえて課題点の再整備をし、2002年度からのCPD実施に向けての提案がされた。@2000年度総会決定に基づくCPD試行から実施への再確認A細則案の追加、変更事項の承認(細則は理事会決定案件)、総会報告についてB現行記録システムの継続と予算措置についてCプロバイダー、プログラムに関する整理についてD全国共通セミナー企画の具体的提案、事業計画への盛り込み要請EJIA大会、支部大会におけるCPDの位置づけと具体的実行体制の組織F試行期間の結果通知、と以上7項目にわたっている。活発に審議され、
 森口雅文理事は、細則の中で、CPDはJIA正会員が自動的に登録されるという表現から「会員義務」と明確にした点を評価した。
 村尾会長は「JIAは会員規則で幅広い分野への会員の道が開かれている。基本政策会議でも今後PM,CMなども対象としている。こうしたカテゴリーの違う人まで義務とするのか」。
 清水耕一郎理事は、「総合的システムの導入を視野に入れた過渡的措置として、コンピューターのバージョンアップに680万円を見積ったと思うが、今のOSの何が不都合なのか。またこの投資は将来も活かされるのか、会費の値上がりにっながらないのか」との発言に対し、高野事務局長より、「バージョンアップシステムは将来も使うことができ、無駄にはならない。試行段階での1,500人から、実施に向けて全会員5,000人へと入カするデータ量が増えると、今のままでは完全にパンクしてしまう。システムをシンプルにすると費用は一層高くなるが、CPD管理システムWGでは、見積りの680万円は大概妥当だとの回答を得ている。来年度予算は本年と同じ900万円程度の計上は必要となるが、会費の中から捻出できる」としている。
 清水耕一郎理事は「建築家資格問題は他会との関係もあり事態は急変し、その擦り合わせなどを考える必要があること、また認定プログラムの支部、地域会認定などの要望に答えていない。試行の第2段階へ移行する程度で、何も急ぐことはない」と発言。
 大宇根委員長は「建築家資格のためのCPDではない。JIAとしては会員の資格としてCPDを実施することである。地域認定については、地域にその体制がないというのが大半である。評議会を設置し、第三者性を確保し、評価を得るということが、本当に地域で担保できるのか。確信がなければ実施することはできない。今後多くなるとみられる自主研修認定は、申請が楽になるように「個人シート」(土木学会の赤い手帳を参考)を検討中である」。
 清水耕一郎理事は「地域認定の要望は、“CPDに会員が参画"するというところに力点がある。そこを汲んでほしい」と重ねて要望した。村尾会長から「他会との建築家資格の話については少しは前進しているが、まだまだ時問がかかるだろう。しかし、それを待ってからではかなり先になってしまう。総会議決でもCPDが『建築家資格』と連動していない。やるべきことをキチッとやるというJIAの態度表明(決心)である。ここでJIAが失敗したら建築にかかわるプロフェッショナルが機能しなくなるだろう。実施(普及)することが、単位数より大切と考えている」と表明した。
審議の結果、”CPDの試行から実施へ”を再確認した。細則については引き続き整理することとし、3月15日までに意見を文章で提出することとした。
■協議事項
1.JIA基本政策会議の件
 村尾会長よりJIA基本政策会議報告書要約(案)の公表があったが、当日は時間切れのため、報告にとどめ、4月に開催される理事会へ提出されることになった。
2.2002年度事業計画(案)の件
 大宇根弘司次期会長予定者より、JIA2002年度活動方針memoの発表と若干の意見交換がされた。
3.役員人事の件
 中田専務理事より、7期14年の任期が総会で切れる。今期をもって専務理事を退任し、後任の専務理事に柳澤理事を選任(会長が選任し、理事会が承認する)したことが提案され承認した。
 村尾会長は従来の行政OBの人を盲目的に迎える時代ではなくなったと判断し、JIAは会員の中からの人材登用を考えたいとのこと。柳澤理事からは、会員の中から専務理事登用という方針をぜひ会員にオープンにし、立候補を募ってほしいことと、役員報酬もオープンにするという二点の条件がクリアされたときには、専務理事の応諾の意志が表明された。